ギリシャ神話と天文と気紛れの文章集
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蛇遣い座-Ophiuchus-/烏座-Corvus-
2009-07-16 Thu 11:29
カドケウスについて少し書いたついでに、アスクレピオスについても書いてみようと思います。

アスクレピオスは「医学の父」と呼ばれ、古代ギリシャ語の病院アスクラピアの語源ともなっています(現在はノソコミーオで全く違いますが)。
彼の父は医学の神アポロン、母はラピテス族の王女でプレギュアスの娘、コロニスです。
コロニスはアスクレピオスを身籠ると、アポロンの一方的過ぎる愛情に反抗して元恋人だったアルカディアの青年(名前は知られていない?)の元に戻りました。
これを問題視したのがアルテミス。兄の名誉に傷がついてはならない、と矢を取ってすぐさまコロニスを殺してしまいました。
アスクレピオスはその死の苦しみの中で生まれたと伝えられています。自分の生まれる過程を注意深く観察していたそうです…。
別の説では、アポロンが伝令に使っていたカラスが嘘をついた、若しくは早とちりした為に、コロニスが浮気をしていると誤解され、アポロン自身によって殺されたとも言います。
この烏は羽が純白で、言葉を話すことが出来ました。
ある日コロニスへの伝言を言いつけられた烏はコロニスの元へ飛びましたが、途中にイチジクがたわわに実った樹に寄り道してしまいました。
実を食べてみるとまだ青く、烏は熟すまで待つ事にしました。
熟したイチジクをたらふく食べた烏はコロニスへの伝言はもう間に合わないと思い、アポロンに「コロニスは浮気している、だからあなたの会いたいという伝言を嘲笑った」、と伝えました。そしてアポロンは激怒し、コロニスを射殺してしまうのです。
コロニスは妊娠していることを告げていたので、アポロンは胎児を救い出し、ヘラクレスやペルセウスなどの師匠となったケンタウルスのケイロンに養育を託しました。
後にコロニスの浮気が嘘だったことを知ったアポロンはかんかんに怒り、烏の言葉を奪い、羽を真っ黒に変えてしまいました。
因みにアポロンの呪いで焦げた為だという説もあります。
そして天に烏を釘で磔にして罰しているのです。これが今日のからす座となっています。
烏座はひしゃげた四角形ですが、この4つの星が銀の釘で、烏自身は黒いので天球に紛れて見えないのだ、といわれています。

アスクレピオスはケイロンに医学を師事し、見る間に上達していきました。
アルゴ船の乗組員になった後の上達は目覚しいほどで、彼は蛇に噛ませる事によって死者を甦らせる事さえ出来るようになったのです。
当然ハデスは不満です。ハデスは自らの王国タルタロスを拡大することに心血を注いでいるのですが、アスクレピオスが一度彼の領分の中に入ってきた者をも呼び戻してしまうので、タルタロスは過疎状態(笑)になってしまっていました。
ハデスはゼウスの元へ出向き(引きこもりのハデスにしてはなかなか凄いのですよ)、「アスクレピオスが自分の権利を侵害している」または「アスクレピオスは運命の女神の規則を守っていない(世界の秩序を乱している)」と訴えました。
まさにその通りだと考えたゼウスは雷電を取り、アスクレピオスを殺してしまいました。
アポロンが激怒するのは当然の話。彼は怒り狂ってゼウスの雷電を作る仕事をしている巨人キュクロプス達を皆殺した上、運命の女神(モイライ)に申し開きをしにいきました。
アポロンは非常に雄弁に息子の弁護をしたので、モイライも規則を曲げてアスクレピオスを生き返らせてやりました。
お礼にアポロンは皆殺しにしたキュクロプスも元通りにし、彼らは雷電作りに復帰したといいます。
また別説ですが、キュクロプスを皆殺しにした罰にアポロンは、テッサリア王アドメトスに仕える羊飼いとして働くことを命じられたともいいます。
死後アスクレピオスは星座として天に加えられました。
これが現在の蛇遣い座です。

蛇遣い座は最近「黄道13星座」が話題になっているので少し有名になってきた気がします。
最近は22時頃に南のほうに見えています。すこし都会より暗めのところなら十分形が認識できます。
高さはちょうど地平線と天頂の中間くらいで、面積が948°と非常に大きいので見つけやすいでしょう。
α星はラス・アルハゲーで、蛇の頭を持つ者の意。因みに良く似た名前にヘルクレスαのラス・アルゲティがあります。これは「跪く者」の意です。
蛇遣い座には多くの球状星団がありますが、小望遠鏡でもあまり見栄えがしません。M10とM12は双眼鏡で同一視野内に見える上、比較的明るいので見つけてみるのも良いと思います。場所は大体蛇遣いの中心近くです。

蛇遣い座のデータ
設定者プトレマイオス/20時南中8月5日/南中高度51度/肉眼星数84個

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