ギリシャ神話と天文と気紛れの文章集
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蠍座-「オリオンを殺せなかった蠍」
2009-07-06 Mon 02:28
この蠍はかのオリオンを刺し殺した蠍であり、その為にオリオンは冬近くになって蠍が地平に沈む頃、ようやく恐る恐る地平の上に姿を現すのだ」というのはそこそこメジャーな話ですが、「蠍はオリオンを殺せなかった」という説もあります。
この説によると、ヘラかガイアかに差し向けられた巨大蠍はオリオンを殺しに彼の元へ向かったが、オリオンが果敢に戦った為に彼に致命傷を負わせる事は出来なかったのだ、ということです。
結局彼は死んでしまうのですが、それはアルテミスによるものだったといいます。

曙の女神エオスがいつも急いで帰って行くのをアルテミスは目撃し、何故だろうかと思い彼女の東の城を覗きに行きました。
エオスはオリオンと密会するために急いでいたのですが、覗いたアルテミスはオリオンを見て恋に落ちてしまいました(個人的に信じたくない)。
オリオンはエオスを捨て、一年間アルテミスと魔法にかけられた獲物を追いかけあっていました。
これに嫉妬したのが、元彼女のエオスではなくアルテミスの双子の兄アポロン。
彼は妹が男に夢中になっているのを見て不満に思い、ヘラかガイアかに「オリオンが獣を乱獲している為に森から獣が絶滅しかけている」と訴えて信じさせました。
上述のように戦った結果、蠍はオリオンを殺す事が出来ず、蠍が水嫌いなのを知っていたオリオンは海に飛び込んで泳ぎ去りました。
蠍に殺させる計画が失敗したアポロンはすぐさま次の計画を考え付きます。
彼は妹を海岸に連れて行き、水の中に浮かんでいる頭を指し示して「あれがお前の侍女の一人を襲った奴だ。私が近づいたのを見て恐れをなして海に飛び込んだのらしい」と彼女に言いました。
その影は遠く、また周囲も薄暗かったので、アルテミスはそれがオリオンだとは気付きませんでした。
そしてアルテミスは、銀の弓を引き絞る。

寸分狂わぬ銀の矢がオリオンの頭を射抜き、彼は波間に沈んでいきました。
真相を知ったアルテミスは嘆き、死体を海底から引き上げて星座としました。
シリウス(大犬座)という猟犬もつけてやり、生前彼が好きだった狩りを続けられるようにしてやりました。
追いかけている対象が女7人(プレイアデス星団)なんですけどね…。
同じく星座となった蠍は、未だに彼を刺し殺そうとしながら永遠に遥か後ろの方を這っているのだ、という事です。

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乙女座-補足
2009-07-01 Wed 17:27
乙女座の女性が誰であるかは3説ある、とこちらで書きましたが、もうひとつ面白い話を見つけました。
乙女座=農夫の娘エリゴネ。この話は酒の神ディオニュソスが軸となっています。

アッティカの農夫イカリオスと娘のエリゴネは、ディオニュソスがこの地へ到来したとき初めて彼を歓待した2人でした。
ディオニュソスはそれをとても喜び、イカリオスに葡萄の育て方とワインの造り方を伝授しました。
酒神の去ったのち、イカリオスは教えられた方法に従い、たくさんのワインをつくって隣人たちに分け与えました。
ところが今まで「酔う」ということを知らなかった彼らは、イカリオスが毒を盛ったのだと思い込み(確かにアルコールは毒ですけれども)、彼を殺して死体を隠してしまいました。
エリゴネは父の姿が見当たらないのを心配し、飼っていた犬のマイラと共に父を探しに出かけます。
ところがマイラが見つけたのは、穴に隠されていたイカリオスの死体でした。
事態を知ったエリゴネは自ら縊死を遂げてしまったのです。
これを知ったディオニュソスは激怒、アッティカを旱魃に陥れて女たちをヒステリー状態にし、夫たちを苦しめるように仕向けました。
そしてディオニュソスは親切な2人を牛飼座と乙女座として、天に上げました。
また彼は犬も農夫の足元に、大犬座として星座にしてやったのでした。

…という話ですが、「牛飼い座の足元に大犬座」はかなり無理がある気がします。角度的に120度ほど離れていますし。どちらかといえば牛飼いの隣にある猟犬座が正しいような気もしますが、猟犬座は一匹でなく二匹です。
因みに、牛飼いαアークトゥルスと乙女αスピカは日本では古来より「夫婦星(めおとぼし)」と呼ばれ、織姫と彦星のようにセットで見られていたようです。牛飼い座と乙女座を一緒にして見るという考え方ではなかなか興味深い話ではないでしょうか。

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魚座-Pisces-
2009-02-02 Mon 00:08
魚座の魚は2匹いて、なぜかリボンで繋がっています。その上リボンがくの字に曲がっているのです。
この2匹は愛と美の女神アフロディテとその息子のエロスを表しています。ローマ名の方が馴染み深いかと思いますが、ヴィーナスとキューピッド(これは英語読みでラテン語発音で正確にはウェヌスとクピド)の組み合わせ。

二人がある日ユーフラテス川のほとりを散歩していたところ、襲ってきたのは怪物テュフォーン。これは山羊座のあれと同じやつです。
そこで二人は魚に変身し、川に飛び込んで逃げました。この時は失敗せずに全身魚になれました。
ですが、二人は親子。勝手にどっか行ってしまうわけにも行かず、親子は離れ離れにならないように互いの体をリボンで結びました。
この光景を微笑ましく思った女神アテナ(ゼウスとも言われます)が、2匹の魚を天にあげたのです。
リボンは、親子の絆を象徴しています。

この魚座、北の魚と西の魚に分かれています。向いている方角の名前が通称。
リボンは鯨座の心臓に当たる変光星ミラのすぐ上で折れ曲がっており、そこから見当をつければ淡い魚座をなんとか探すことができる…かも知れません。
“くの字”は秋の大四辺形を北西に挟んでいます。
魚座の近くには水関係な星座がいっぱいあり(鯨、水瓶、南魚、エリダヌスなど)、これは星座が設定された当初にここが雨季にあたっていたことに関係があると言われています。

設定者:プトレマイオス
(東京)20時南中・高度:11/22・65度
肉眼星数:81

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水瓶座-Aquarius-
2009-01-12 Mon 17:32
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水瓶座の星座絵は一人の少年が水の流れだす甕を持った姿になっています。
この少年の名はガニュメーデス。彼は元々たんなる羊飼いでした。

で…この少年が余りに美しかったのでゼウスが攫ってきてしまった、と。
自分のお酌をさせる役目をさせようとして略取してきたわけです。それでキレたのが奥さんのヘラ。
別にいつもみたいな理由(浮気とかそういう系)ではなくて、ほんとうは自分の娘のヘベーがその役目を行う予定だったからです。
ヘラは彼を殺そうとしましたが、ゼウスはまあまあと言ってじゃあ両方酌取りさせりゃいいじゃないかと提案し、それで事なきを得ました。

私が知っているのにはもうひとつあって、ガニュメーデスをトロイアの王子と見るものです。
攫ったのはゼウス自身でなく曙の女神エオスで、オリュンポスに連れて行ったところ大好評。ゼウスの寵愛を受け、彼はゼウスの酌取りとなりました。
これが本来ヘベの仕事で、ヘラが激昂。ガニュメーデスは殺されそうになりました。でもいつでもこの子を見ていたかったゼウスは、彼を天の星座に加えたということです。
ついでに、曙(エオス)は夜中のうちに空に昇り、朝の巡回を始める前にガニュメーデスに会う時間をとっておくようになったそうです。

また、彼を攫った時にゼウスが鷲に姿を変えたともいわれ、それが鷲座になったといいます。
いしいしんじ作の「プラネタリウムのふたご」で、ふたごに質問されて泣き男が解説したこの話が面白い。


美少年とはね、と泣き男はこたえる。つまり花みたいなものだ。大わしは美少年を巣にかざって、そばでずっと見ていたいとおもっていた。ちょうど食堂の娘がカウンターにひなぎくをかざるみたいに。おもいをとげたわけだよ。ああ、この世にはいろんなひとの、いろんなおもいがある。


ガニュメーデスが持っている甕から流れているのは水ではなくネクタルという神々の酒です。
また、流れ出たそれを南魚座が飲んでいて、魚の口に当たるフォーマルハウト(アラビア語で魚の口の意)は秋空にひとつだけの1等星です。因みに中国名の北落師門は私の別のHNです(笑

水瓶座には目立った星がありませんが、フォーマルハウトがわかりやすいかと思います。
ガニュメーデスの左足(向って右)のあたりに有名な螺旋星雲NGC7296があります。ひどく淡いので明るい都会じゃ見えません。それに望遠鏡で見るとかえって見づらくなるそうです。
あと双眼鏡で見えるものとしては球状星団M2、惑星状星雲NGC7293があります。晴天かつ光害が無いというある意味きつい条件下でではありますが。
写真はスピッツァー宇宙望遠鏡のとらえた螺旋星雲です。

水瓶座の設定者はプトレマイオス。
20時南中は10/22、高度は42度。肉眼星数は96個です。

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山羊座-Capricornus-
2008-12-25 Thu 18:05
山羊座の星図を見ると、この山羊はまあ普通ではありません。下半身が魚なんですね。このヤギは牧神パンの化身です。パンは所謂遊び人で、山羊の姿をしています。葦笛吹いたり女の子(ニンフ)追っかけたりして毎日を過ごしていました。

とある日、神々が宴会を開いていると、テュフォーンという怪物が襲ってきました。神々はすぐそばにあった川に変身して飛び込んだりして逃げようとしました。もちろんパンも同じです。
ところがパンはあまりに慌てていた為、失敗してしまいました。
上半身は山羊のまま、下半身だけが魚。これを面白がった大神のゼウスが空に上げて星座にしてしまいました。

というのが第一。

第二というのはあまり知られていない(?)話で、これは山羊座の下半身を魚と見ないものです。
ゼウスは生まれたときに山奥のニンフに預けられました。父親のクロノスに食われてしまうと母親のレアが心配したからです。
ニンフだけでは赤ん坊は育ちません(そうなのかな?)。そこで山羊のアマルテアがその乳を飲ませることになったのです。
のちゼウスが成人し、アマルテアは死にました。(←成人したから死んだわけではありませんよ)
ゼウスはちゃんと恩を忘れませんでした。そこでアマルテアに3つの栄光を与えることにしたのです。

ひとつめ。その皮を自分の楯に貼り「神楯(アイギス)」と名付けました。この楯は後に娘のアテナに与えられることになります。
ふたつめ。ゼウスはアマルテアの角をヘスペリデスの園から取ってきた黄金の林檎満たしました。その特殊なところはというと、この林檎は食べても食べても元通りになるということです。これが「豊穣の角」つまりコルヌコピアとなりました。
みっつめが、彼女を星座として天にあげる事でした。

古代ギリシャでは山羊座の逆三角形の星の並びを神々の門と呼んでいました。
人間が昇天するときの入り口ということです。
神々の門にしては存在が(空の中で)薄い気もしますが…(笑。

α星のアルギェディは3.6-4.2等の星で二重星です。
山羊座は全体的に3等星くらいからそれ以下の星々で構成されています。
向かって左が魚の尻尾となっていますが、その尻尾のところにあるM30球状星団がまあまあの見物という感じでしょうか。肉眼では見えません。7.3等なので。
見るにはちょっとした望遠鏡がいるようです。

20時南中は9/30、高度は35度。まあ低めですね。
肉眼星数は47個、設定者はプトレマイオスです。

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